【ComfyUI】ControlNet応用|Preprocessor徹底比較と複数制御の極意

ComfyUIのControlNet複数制御の仕組みを図解した、Preprocessor比較と応用実践ガイドのアイキャッチ
ComfyUI
この記事は約38分で読めます。
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ControlNetをONにしても形が安定しない。
重みを上げると破綻する。
Preprocessorを変えても違いが分からない。

こうした悩みは、決して珍しいものではありません。

原因は、設定ミスではありません。
プロンプト・LoRA・ControlNetの役割と力関係が整理できていないことにあります。

ControlNetは万能ではなく、
強くすれば良くなる仕組みでもありません。
重要なのは、
どこをControlNetに任せ、どこを任せないかです。

この章では、設定の前に
ControlNetを扱うための考え方の土台を整理します。
比較や実践を意味のあるものにするための準備です。

ControlNetを使うと、「なぜ思い通りにならないのか?」と疑問が湧きます。

  • ControlNetを強くすればすべて思い通りになるのか
  • LoRAを入れているのに形や構図が変わるのはなぜか
  • プロンプトを少し変えただけで結果が大きく変わるのはなぜか

すべての原因は、「生成に関わる要素の役割を混同していること」です。

プロンプト・LoRA・ControlNetは担当範囲が違う

  • プロンプト:描く内容や見た目・概念を指示(キャラクター性、雰囲気など)
  • LoRA:作風や特徴を癖として上書き(顔つき、線の出方、塗り傾向)
  • ControlNet:形・配置・構造を制御(ポーズ、輪郭、構図)

重要なのは「どれが強いか」ではなくどこに作用するか

役割の整理

要素プロンプトLoRAControlNet
形・構造
見た目・雰囲気
構図・配置
質感・作風×

◎=得意、○=影響あり、△=間接的、×=基本的に担当外

ControlNetは見た目を作る担当ではなく、形や配置を支える裏方です。

なぜ競合や衝突が起きるのか

生成で衝突するのは、プロンプトやLoRAがControlNetの領域に踏み込むからです。

  • LoRAの体型やポーズ癖が強い → ControlNetと競合
  • プロンプトに「横向き」「腕を組む」指示 → 解析画像と食い違う

結果として、形が崩れる、別人になる、ControlNetが効かないように見えることがあります。

押さえておくべき考え方

生成結果は「強さ」ではなく「役割分担の噛み合い」で決まります。

ControlNetをうまく使うとは「強くすること」ではなく、
「任せる範囲を正しく切り出すこと」です。

生成結果は、三者の“強さ”ではなく“役割分担の噛み合い”で決まる

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ControlNetは“形”の制御に強く、“見た目”は担当外です。

ControlNetが得意なこと

  • ポーズ(立ち方・手足の位置)
  • 輪郭(シルエット、線の位置)
  • 構造(配置、構図、関係性)
  • 奥行き(前後関係、立体構造)

解析画像として明確に表現できる情報に忠実に従う仕組みです。

ControlNetが苦手なこと

  • 表情の細かなニュアンス
  • 画風やテイスト
  • キャラクターの「可愛さ」「色気」「雰囲気」

形として定義しづらく、意味や感覚に依存する情報は制御できません。

得意/不得意の対比表

区分ControlNetが得意ControlNetが苦手
制御対象ポーズ・姿勢・骨格表情の細かなニュアンス
形状輪郭・シルエット・線の位置顔立ちの可愛さ・色気
構造構図・配置・パーツの関係性キャラクター性・雰囲気
空間奥行き・前後関係・立体構造画風・テイスト
情報の性質解析画像として明示できる情報意味・感覚・印象に依存する情報
向いている役割「形を固定する」「見た目を演出する」

見た目を制御できない理由

ControlNetは意味を理解せず、線・形・濃淡・配置の解析結果だけを参照するため。

  • 見た目を寄せたい → プロンプトやLoRA
  • 形を固定したいControlNet

この切り分けが重要です。

期待値を正しく置く

ControlNetで何でも解決しようとすると混乱します。
「形はControlNet、見た目は別手段」という前提を持つだけで、

  • 効かない場面の原因
  • LoRAやプロンプトに戻る判断

が明確になります。

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ControlNetが効かない原因は、設定項目の多さではなく、本質は2つに集約されます。

要素①:解析画像の質 ― 何を、どこまで渡しているか

  • 情報が足りない → 形や構造が固定されず効かないように見える
  • 情報が多すぎる → 不要な拘束で破綻や不自然さが生じる

重要なのは、「多ければ良い」でも「細かければ正解」でもないという点です。
ControlNetは渡された解析情報に忠実に従うため、不要な情報はノイズになります。

要素②:寄せ具合 ― どこまで従わせるか

  • 強すぎる → 自由度が失われ、表現が固くなる・破綻しやすくなる
  • 弱すぎる → 形が安定せず、ControlNetの意味が薄れる

ここでも大切なのは、「最大にすれば良いわけではない」という考え方です。
解析画像の情報量と寄せ具合はセットで考える必要があります。

ControlNetは「2つの軸」で考える

  • 解析画像に含まれる情報量
  • どれだけ従わせるか

この2軸で挙動を理解すると、「効かない/破綻」の原因を感覚ではなく構造で判断できます。

1章まとめ

  • ControlNetは万能ではない
  • 得意:「形」苦手:「見た目」
  • 効き具合は「解析画像」「寄せ具合」で決まる
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ControlNetの効き具合を決めるのは、設定や微調整ではなく「どんな解析画像を渡すか」です。

  • 第1章で示した「解析画像 × 寄せ具合」の2軸のうち、ここでは解析画像そのものに注目
  • Preprocessorが変わると、渡される情報も線・点・面などまったく異なる
  • 何が残り、何が捨てられるかを見極めることが重要

出力された解析画像を観察することで、次章の比較結果も自然に理解できるようになります。

輪郭系Preprocessorは「形をどこまで固定するか」を決める基本的なControlNet入力です。
同じ元画像から出力された解析画像を並べ、線の性質・残る情報・捨てられる情報の違いを見ていきます。

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像

Canny Edge

ControlNetのcannyによる解析画像
  • 写真のエッジを機械的に検出
  • 細かいディテールや背景の輪郭も拾いやすい
  • 線はシャープで情報量が多い

「形を強く固定したい」場合に向く一方、不要な線まで渡しやすいのが特徴

Lineart(Standard)

ControlNetのstandardlineartによる解析画像
  • イラスト・漫画向けに最適化された輪郭抽出
  • 人物や服など「意味のある輪郭」を優先して抽出
  • 線は整理され、背景や細かいノイズは省かれやすい

「人物の形やポーズを自然に固定したい」場合に向く一方、立体の向きや奥行きまでは保証しないのが特徴

HED Soft-Edge Lines

ControlNetのhedによる解析画像
  • 人が認識する「意味のある輪郭」に近い抽出
  • Cannyより線が柔らかく、ノイズが減る
  • 面の境界や重要な輪郭が残りやすい

形を保ちつつ、自由度も残したい場合の中間的な位置づけ

M-LSD Lines

ControlNetのm-lsdによる解析画像
  • 直線構造を中心に抽出
  • 建物・床・フレームなどの構造が強調される
  • 曲線や細部は大胆に省略される

構図や空間構造を固定したいときに力を発揮

Scribble Lines

ControlNetのscribbleによる解析画像
  • 極端に情報量が少ないラフな線
  • 細部や正確な輪郭はほぼ残らない
  • 配置や大まかな形だけを伝える

「この辺にこれがある」程度の指示に向いた解析画像

解析画像チェックポイント

輪郭系Preprocessorを比較するときは、
次の3点に注目すると違いが見えやすくなります。

  • 線の太さ・密度
    → どこまで形を縛るか
  • 残る部分/省略される部分
    → モデルに委ねる余白
  • ノイズの入り方
    → 意図しない制御の可能性

輪郭系Preprocessorは「強弱の幅」を選ぶもの

重要なのは、
どれが優れているかではありません。

輪郭系Preprocessorはすべて、
「形を伝える」という役割を持ちながら、

  • 強く固定するもの
  • 構造だけ渡すもの
  • ラフに配置を伝えるもの

という 制御の幅 を持っています。

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人体・ポーズ系Preprocessorは「見た目」ではなく骨格・関節・配置など人の構造をControlNetに渡します。
輪郭系が外側の形を制御するのに対し、ポーズ系は生成結果の“芯”を固定します。

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像

OpenPose Pose

ControlNetのopenposeによる解析画像
  • 頭・胴体・腕・脚の骨格を検出
  • 関節点と接続線のみで構成
  • 表情・服装・体型情報は含まれない

「立ち姿」「手足の向き」「全身バランス」をかなり強く固定できる解析画像

DWPose Estimator

ControlNetのdwposeによる解析画像
  • OpenPoseより検出精度が高いケースが多い
  • 手指・細かい関節まで拾えることがある
  • ポーズの破綻が起きにくい

ポーズを厳密に再現したい場合や、複雑な姿勢・手の表現が必要なときに有効

人体・ポーズ系が強力な理由

ポーズ系Preprocessorが他と決定的に違う点は、
シルエットや線ではなく「構造」を渡していることです。

  • 輪郭系 → 外形・線・境界を渡す
  • ポーズ系 → 骨格・関節・配置そのものを渡す

プロンプトやLoRAで姿勢を指定しても崩れる場合、最も直接的に効くControlNetです。

制御できないもの

  • 表情・体型・服装・デザイン情報は含まれず、見た目はほぼ保証されません
  • 「ポーズは正しいが別人になる」「雰囲気は変わるが立ち姿は固定される」のは正常挙動

単体完結ではない

このPreprocessorは非常に強力ですが、
多くの場合は 他のControlNetと組み合わせて使う前提になります。

  • Pose × Canny
  • Pose × Depth
  • Pose × Lineart

といった構成で、
「骨格は固定しつつ、形や雰囲気は別で制御する」
という考え方が、後半の章で重要になってきます。

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奥行き・立体を扱うPreprocessorは、
線でもポーズでもなく、「空間そのもの」をControlNetに渡します。

『どこが近く、どこが遠いか』

同一元画像から生成されたDepth解析画像を比較し、
奥行き情報の持ち方・粗さ・安定性の違いを見ます。

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像

Depth Anything

ControlNetのdepthanythingによる解析画像
  • 明暗で距離を表現するDepthマップ
  • 全体的に安定した奥行き推定
  • 人物・背景をまとめて捉える傾向

「全体構図を崩さずに生成したい」場合に使いやすいDepth

Zoe Depth Anything

ControlNetのzoedepthによる解析画像
  • Depth Anythingをベースにした高精度版
  • 奥行きのグラデーションが滑らか
  • 前景と背景の分離が比較的はっきりする

背景保持や空間表現を重視したい場合向き

MiDaS Depth Map

※注意※
MiDaS Depth Map は、現時点では Torch 2.6.0 が必要であり、
Windows環境では正常に動作しない場合があります。
本記事では「Depth表現の特徴理解」を目的として紹介しています。

  • コントラストが強めのDepth表現
  • 面ごとの奥行き差がはっきり出やすい
  • 細部よりも大きな構造を優先

建物・室内・大きな構造物との相性が良い傾向

LeReS Depth Map

ControlNetのleresdepthによる解析画像
  • 局所的な奥行き表現に強い
  • 前景・中景・背景の分離が明確
  • シーンによってはやや癖が出る

奥行きの強調や立体感をはっきり出したい場合に有効

輪郭系との決定的な違い

Depth系には線がほとんどありませんが、人物と背景の距離、建物の奥行き、カメラ位置といった空間構造は強く維持されます。

これは「線で形を固定する」のではなく、「面で空間を固定している」ためです。

奥行き系が影響するポイント

  • 背景や空間構造を保ちたい
  • 建築・室内・街並みを崩したくない
  • カメラアングルやパース感を維持したい

一方で、輪郭・キャラデザイン・表情などはほぼ制御しません。

奥行きPreprocessorの特徴

Depth系は見た目を寄せるというより、生成結果を破綻しにくくする方向に働くPreprocessorです。

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輪郭・ポーズ・奥行きの違いは、突き詰めると解析画像が持つ情報量の差に集約できます。

Preprocessorの違いは「何を渡すか」ではなく「どれだけ渡すか」として整理できます。

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像

情報量が少ない解析画像の特徴

ControlNetのscribbleによる解析画像
  • 含まれる情報が限定的、線や構造が少ない
  • モデルの解釈に委ねる余白が大きい
  • 自由度が高く、作風が出やすい
  • 反面、構図や形は崩れやすい

「ControlNetで縛っているつもりでも、実はかなり自由」な状態

情報量が多い解析画像の特徴

ControlNetのdepthanythingによる解析画像
  • 線・点・面が多く、配置や空間構造が明確
  • 解釈の余地が少ない
  • 構図が安定し、破綻しにくい
  • その代わり変化しにくい

「生成AIに任せる範囲が狭くなる」状態

Preprocessorが決めているのは情報量

  • Preprocessor → 解析情報量
  • Strength → 寄せ具合

Preprocessorを選んだ時点で、
どれくらい縛れるかの上限はほぼ決まります。

情報量の段階イメージ

ControlNetにおける解析情報量の段階を示した概念図
Preprocessorキャプション例
Scribble構図のヒントだけ
Lineart / Canny輪郭を固定
OpenPose / DWPose構造(骨格)を固定
Depth / Normal空間・配置を固定

※Normal系は面の向きを解析し、立体構造を強く拘束します。

2章まとめ

Preprocessorは効果を選ぶものではなく、解析情報の性質と量を選ぶものです。
見るべきなのは生成結果ではなく、その前段階の解析画像です。

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この章では、同じ元画像・同じ設定で、Preprocessorだけを変更して生成結果を比較します。
ポイントは正解探しではなく、解析画像の違いが結果にどう反映されるかを見ることです。
結果と解析画像の対応関係から、「なぜこうなったか」を読み解きます。

人物の立ち絵は、ポーズ・構図・背景を同時に含むため、Preprocessorの違いが最も分かりやすく表れる題材です。
ここでは、違いが生成結果にどう現れるかを確認します。

実験条件

変更するのは Preprocessorのみ です。

  • 元画像:固定(同一人物・同一ポーズ)
  • モデル/Seed/プロンプト:固定
    • プロンプト:(masterpiece:1.2), high quality illustration, 1girl
    • ネガティブプロンプト:(low quality:1.2), (worst quality:1.2), (bad anatomy:1.2)
  • ControlNet strength:固定
  • 使用Preprocessor:Canny / OpenPose / Depth

ControlNetの解説でよく使われる「weight」とは、「ControlNetを適用」ノードの strength を指します。本記事では、UI表記に合わせて strength で統一します。

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像

解析画像比較

生成結果を見る前に、解析画像を横並びで確認します。

ControlNetを適用して生成した画像(canny)
ControlNetを適用して生成した画像(openpose)
ControlNetを適用して生成した画像(zoedepth)

Canny

OpenPose

Depth

見るべきポイントはただ一つです。

何が残り、何が捨てられているか

Preprocessorごとに、渡している情報の種類と量が大きく異なります。

生成結果比較

次に、各解析画像を使った生成結果を並べます。

ControlNetのcannyによる解析画像
ControlNetのopenposeによる解析画像
ControlNetのzoedepthによる解析画像

Canny

OpenPose

Depth

※この段階では、成功・失敗の判断は不要

まずは結果をそのまま見る

注目するのは次の点です。

  • ポーズがどこまで固定されているか
  • 輪郭は守られているか
  • 立体感や背景はどう変わったか

「こう変わるのか」と感じられれば十分です。

なぜそうなったのか。
どの情報が効いて、どの情報が失われたのか。

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前セクションの結果を、印象ではなく 構造として理解するために整理します。
見る軸を絞ることで、Preprocessor差が明確になります。

観察軸はこの3点だけ

  • 輪郭:形はどこまで固定されたか
  • 立体感:奥行き・面の情報はどう扱われたか
  • 背景保持:構図や配置はどれだけ維持されたか

この3軸で見ると、差が自然に浮かび上がります。

観点①:輪郭 ―「線がある=安定」ではない

Canny や Lineart では、シルエットや境界線が明確に残ります。

ControlNetを適用して生成した画像(輪郭 canny)
ControlNetを適用して生成した画像(輪郭 standardlineart)

Canny

Lineart

一方で、

  • 線がない部分は、モデルの解釈に任される
  • 立体の“向き”や“厚み”は保証されない

輪郭=完全固定ではありません

観点②:立体感 ― 線がなくても崩れない理由

Depth系では輪郭線がほとんどありません。
それでも、体の向きや前後関係は安定します。

ControlNetのzoedepthによる解析画像
ControlNetを適用して生成した画像(立体感 zoedepth)

Depth解析画像

Depth生成画像

これは、線ではなく
面と奥行きの情報を渡しているためです。

  • 手前/奥
  • 体の傾き
  • 背景との距離感

こうした情報が、線なしでも構造を支えています。

観点③:背景保持 ― なぜ構図が崩れにくいのか

Depth系では、背景や配置が比較的維持されます。
背景が模様ではなく、空間上の位置関係として扱われるためです。
構図の安定は偶然ではありません。

ControlNetを適用して生成した画像(背景保持 canny)
ControlNetを適用して生成した画像(背景保持 openpose)
ControlNetを適用して生成した画像(背景保持 zoedepth)

Canny

OpenPose

Depth

前セクションと同じ生成結果を使用しています。ここでは「背景と構図」に注目してください。

小まとめ:違いの正体は「情報の種類」

結果の差は設定の巧拙ではありません。
渡した解析情報の 種類と量の違いです。

Preprocessorは、生成結果を直接操作しているのではなく、
モデルに渡す“材料”を変えている にすぎません。

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このセクションでは、Preprocessorは固定し、
ControlNetの寄せ具合(strength)だけを変えて比較します。
「どれだけ従わせるか」が結果にどう影響するかを見るためです。

実験条件

  • 元画像/モデル/Seed/プロンプト:固定
    • プロンプト:(masterpiece:1.2), high quality illustration, 1girl
    • ネガティブプロンプト:(low quality:1.2), (bad anatomy:1.2)
  • Preprocessor:固定(Canny Edge)
  • 変更点:ControlNet strengthのみ

原因を明確にするため、他は触りません。

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像

弱すぎる例:寄せているはずなのに効かない

strengthを低くする(=0.2)

ControlNetを適用して生成した画像(strength 低)
  • 元画像にあまり寄らない
  • ポーズや構造が曖昧になる

解析画像は渡していても、モデルの自由度が勝っている状態です。

強すぎる例:固定しすぎて破綻する

strengthを高くする(=1.5)

ControlNetを適用して生成した画像(strength 高)
  • 形は強く固定される
  • 歪みや質感の破綻が出やすい

これは、解析情報に過剰に従わせている状態です。

「思い通りに固定したい」という意図が、
かえって不自然さを生んでいます。

適正値は情報量とのバランス

正解のstrengthは存在しません。

適正かどうかは、

  • 解析画像の情報量
  • 何をどこまで固定したいか

この組み合わせで決まります。

同じ数値でも、

  • 情報量が少ない解析画像
  • 情報量が多い解析画像

では、意味がまったく変わります。

小まとめ:問題は「寄せ具合」

  • 効かない → 弱すぎ
  • 破綻する → 強すぎ

どちらも設定選択の結果です。

Preprocessorではなく、寄せ具合の設計が鍵になります。

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全部入れれば最強?

Canny・Pose・Depthを全部使えば完璧に制御できそうに見えますが、実は多くの人が一度は通る誤解です。ここでは「全部入り」が破綻しやすい理由を見ます。

よくある“全部入り”構成例

まずは、実際によく見かける構成です。

  • Canny(輪郭)
  • OpenPose(ポーズ)
  • Depth(奥行き)

Canny + OpenPose + Depth を同時に使った構成図

解析情報を増やしすぎて、ControlNet同士が競合してしまうワークフローのイメージ図

Canny + OpenPose + Depth を同時に使ったワークフローキャプチャ

解析情報を増やしすぎて、ControlNet同士が競合してしまうワークフローのキャプチャ画像

一見「形・ポーズ・奥行き」を完全指定できそうに見えます。

解析画像を並べると分かること

ControlNetのcannyによる解析画像
ControlNetのopenposeによる解析画像
ControlNetのzoedepthによる解析画像
  • 画面のほぼ全域が指示で埋まる
  • それぞれが別の観点から命令している

情報量が多い=親切ではなく、「指示が密集」した状態

実際の生成結果:なぜかうまくいかない

ControlNetを適用して生成した画像(破綻画像①)
ControlNetを適用して生成した画像(破綻画像②)
ControlNetを適用して生成した画像(破綻画像③)
  • 形は合っているのに不自然
  • ポーズは守っているが硬い
  • 全体の意図がぼやける

これは偶然の失敗ではなく、構造的に起きる現象です。

なぜ破綻するのか

  • 情報が多すぎて競合する
  • モデルの解釈余地が消える

ControlNetは魔法ではなく「与えられた条件の中で最善を探す仕組み」

条件が多すぎると、最善が見つからなくなります。

問題は「どれを使うか」ではない

Canny・Pose・Depthの良し悪しではなく、問題はただ一つ。

一度に渡す情報が多すぎる

3章まとめ

  • Preprocessorの違いは生成結果に直結する
  • 失敗に見える結果も構造的に説明できる
  • 大事なのは「正解探し」ではなく選ぶ理由
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同じPreprocessorでも、解析画像の作り方で結果は大きく変わります。
トリミングや線の強さなど、前段の調整が生成にどう影響するかを見ていきます。
目的は正解探しではなく、調整と結果の関係を理解することです。

ControlNetの効きは、解析前の画像の状態に大きく左右されます。
ここでは同じ元画像・Preprocessorで、トリミング有無だけを変えて比較します。

実験条件

  • 元画像:同一
  • Preprocessor:同一(OpenPose Pose)
  • ControlNet設定:固定
  • 変更点:トリミングの有無

👉 解析前の画像整理が与える影響を見る実験です。

元画像の比較

ControlNet解析に使用した元画像
ControlNet解析に使用した元画像
  • 左:元画像そのまま
  • 右:被写体をトリミングした画像

一見同じ情報でも、モデルが見る範囲は異なります
トリミングにより、注目点が被写体に限定されます。

解析画像の比較

ControlNetのopenposeによる解析画像
ControlNetのopenposeによる解析画像(トリミングあり)
  • 情報の集中位置
  • 背景の含まれ方
  • 被写体構造の密度

トリミングなしでは、人物が画面内の一要素として扱われます。(※右腕が曲がっている解析画像になってしまっている。
一方、トリミングありでは、同じポーズ情報でも人物の存在感が相対的に強まります。

生成結果の比較

ControlNetを適用して生成した画像(トリミングせずそのまま)
ControlNetを適用して生成した画像(トリミングあり)
  • 被写体の安定感
  • 余計な要素の混入
  • ポーズや形の再現性

設定は同じで、変えたのは画像の切り方だけです。

まとめ

トリミングは「モデルに何を見せるか」を決める操作です。
ControlNet調整は、ノード設定より前から始まっています。

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Cannyは単純に見えて、線の強さ・密度で制御感が大きく変化します。
ここではPreprocessorは固定し、thresholdだけを変えて比較します。

各パラメータの役割

  • low_threshold
    • どこから「線として拾い始めるか」
    • 低いほど 細かいエッジまで拾う
  • high_threshold
    • 「これは確実に線だ」と判断する基準
    • 低いほど 線が太く・多くなりやすい
  • resolution
    • 解析画像の解像度

実験条件

  • 元画像/モデル/Seed/プロンプト:固定
    • プロンプト:high quality illustration, 1girl
    • ネガティブプロンプト:(low quality:1.2), (bad anatomy:1.2)
  • Preprocessor:固定(Canny Edge)
  • ControlNet設定:固定
  • 変更点:threshold(低/中/高)
    • 低:low_threshold : 50、high_threshold : 100、resolution : 512(固定)
    • 中:low_threshold : 100、high_threshold : 200、resolution : 512(固定)
    • 高:low_threshold : 150、high_threshold : 255、resolution : 512(固定)

👉 線の量が与える影響を確認します。

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像

解析画像の比較

ControlNetのcannyによる解析画像(Canny閾値:低)
ControlNetのcannyによる解析画像(Canny閾値:中)
ControlNetのcannyによる解析画像(Canny閾値:高)
  • 左:細部・背景まで線だらけ(threshold:低)
  • 中:主体中心でバランス良(threshold:中)
  • 右:太い輪郭だけ残る(threshold:高)

同じ画像でも、解析情報量は大きく変わります

生成結果の比較

ControlNetを適用して生成した画像(Canny閾値:低)
ControlNetを適用して生成した画像(Canny閾値:中)
ControlNetを適用して生成した画像(Canny閾値:高)
  • 線が多い → 形は安定するが窮屈
  • 中間 → 固定と自由のバランス
  • 線が少ない → 自由度が高い

変えたのは、線の量だけです。

観察ポイント

  • 形の固定感はどこまで強まったか
  • モデルの自由度はどこで失われたか
  • 破綻や不自然さは、どの段階で出始めたか

まとめ

Canny調整は「線を増減する」操作ではありません
それは、モデルをどこまで縛るかを決める操作です。

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Depth系Preprocessorは、制御力が非常に強いのが特徴です。
安定する一方で、「効きすぎる」と感じやすいのもこの系統です。
ここでは、Depthの有無ではなく精度差に注目します。

精度が高い=良い、ではない

Depthの精度差は、

  • 固定の強さ
  • 自由度の残り方

を大きく左右します。
制御の質が変わると捉えるのがポイントです。

実験条件

  • 元画像/モデル/Seed/プロンプト:固定
    • プロンプト:high quality illustration, 1girl
    • ネガティブプロンプト:(low quality:1.2), (bad anatomy:1.2)
  • Preprocessor:Depth 系(Zoe Depth Anything/Depth Anything)
  • ControlNet設定:固定
  • 変更点:Depth の精度(高精度/粗め)
    • 高精度:Zoe Depth Anything
    • 粗め:Depth Anything

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像

解析画像の比較

ControlNetのzoedepthによる解析画像
ControlNetのdepthanythingによる解析画像
  • 左:高精度:面構造・奥行きが細かい(Zoe Depth Anything)
  • 右:粗め:大まかな奥行きのみ(Depth Anything)

同じDepthでも、情報量は別物です。

生成結果の比較

ControlNetを適用して生成した画像(Depth高精度)
ControlNetを適用して生成した画像(Depth粗め)
  • 左:高精度:配置が強く固定、安定する(Zoe Depth Anything)
  • 右:粗め:大枠を保ちつつ変化しやすい(Depth Anything)

これは良し悪しではなく、制御の質が違うだけです。

観察の軸

  • 固定される ↔ 自由度が残る
  • 安定する ↔ 表現の幅が広がる

精度を上げる=固定を強める
荒くする=自由度を残す

まとめ

Depthは正確さを競うものではありません。
どこまで固定したいかを決めるための情報です。

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ここまで行ってきた調整は、
トリミング・線量調整・Depthの粗さ変更など、一見バラバラに見えます。
しかし本質はすべて同じです。

共通点は「解析画像の作り方」

これまで触ってきたのは、

  • 何を解析させるか
  • どこまで解析させるか
  • どれくらいの精度で解析させるか

生成を調整しているのではなく、解析の仕方を設計しているという点です。

ControlNetの流れ

元画像 → 解析画像 → ControlNet → 生成結果

私たちが直接操作しているのは、常に 解析画像 です。

主役はPreprocessorではない

よくある誤解は、
「Preprocessorを選べば終わり」という考え方です。

実際には、

  • Preprocessorは入口
  • 解析画像は 調整対象そのもの

ControlNetは、渡された解析画像の内容に反応します。

4章まとめ

Preprocessor設定はゴールではありません。
解析画像は完成品ではなく素材です。

調整とは、モデルに「何を、どこまで伝えるか」を決める作業。

だからこそ、
Preprocessor調整は前処理の前処理 なのです。

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ControlNetは、増やせば強くなるものではありません。

重要なのは、何を固定し、何を任せるかの設計です。

ここからは、
複数のControlNetを足し算ではなく役割分担として使い、
固定したい部分を競合させずに同時制御する考え方を整理します。

複数ControlNetの基本は、異なる種類の情報を別々に担当させることです。
同じ系統の情報を重ねると、ControlNet同士が競合します。
まずは、役割が明確に分かれる組み合わせを押さえます。

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像

人物:立ちポーズ
服装:短パン+Tシャツ

構造と外形を分ける王道:Pose × Canny

この組み合わせは、
複数ControlNetを初めて使う場合でも成功しやすい代表例です。

Poseは骨格・関節、Cannyは輪郭を担当します。
中身(構造)と外側(形)が分離され、情報が重なりません。

・解析画像

ControlNetのopenposeによる解析画像
ControlNetのcannyによる解析画像

OpenPose

Canny

・生成結果

ControlNetを適用して生成した画像(openpose-canny組み合わせ)

 ・プロンプト:high quality illustration, 1girl, soft knit sweater, mini skirt, autumn
 ・ネガティブプロンプト:(low quality:1.2), (bad anatomy:1.2)

ポーズは安定しつつ、服装や質感の自由度が残ります。
「姿勢は固定、絵作りは任せたい」場合に有効です。

※注意
[ControlNetを適用]のデフォルト強度(strength = 1.0)のまま適用すると、形状の指示が重なりすぎて破綻しやすくなります。
実用上は、以下のように強度を抑えるのがおすすめです。
・Pose:strength 0.3〜0.5(姿勢の安定を優先)
・Canny:strength 0.3〜0.4(輪郭は軽く補助する程度)

また、start_percent / end_percent を調整することで適用タイミングをずらし、
さらに安定させることも可能です。
※今回は特に設定変更せずに生成しています。

空間と形を同時に安定:Depth × Lineart

Depthは奥行きや配置、Lineartは形状の輪郭を担当します。
構図全体が崩れにくく、背景と被写体の距離感が安定します。

・解析画像

ControlNetのzoedepthによる解析画像
ControlNetのstandardlineartによる解析画像

Depth

Lineart

・生成結果

ControlNetを適用して生成した画像(zoedepth-standardlineart組み合わせ)

 ・プロンプト:high quality illustration, 1girl, geometric print clothing, beige hoodie,
        velvet short pants, snow boots, Winter Background
 ・ネガティブプロンプト:(low quality:1.2), (bad anatomy:1.2)

建物・室内・複数オブジェクトを含むシーン向きです。
描き込みや表情はモデル側に任せられます。

まとめ:成功する組み合わせの共通点

  • ControlNetごとに情報の種類が違う
  • 構造・外形・奥行きを分担している
  • 情報が重ならず、競合しない

組み合わせの鍵は「数」ではなく、役割の切り分けです。

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ControlNetを増やせば、制御が強くなるとは限りません。

特に、同じ系統の情報を重ねた場合、見た目上の破綻が起きなくても、制御効果がほとんど増えないことがあります。

例①:Canny × Lineart

・解析画像の比較

ControlNetのcannyによる解析画像
ControlNetのstandardlineartによる解析画像

ポイント:

  • 解析画像の段階で、含まれる情報が非常に似ている
  • 重ねても「新しい情報」が増えていない

・生成結果の傾向

輪郭の安定感はほぼ同じで、ControlNetを増やした明確なメリットは見られません。

例②:Depth × Depth(精度違い)

・解析画像の比較

ControlNetのzoedepthによる解析画像
ControlNetのdepthanythingによる解析画像

奥行き情報は両方とも「前後関係」を示しており、精度差があっても役割は同じです。

・生成結果の傾向

どちらか一方が実質的に優先され、両方を使った効果は限定的になります。

まとめ

strengthを下げたり、start_percent / end_percent をずらすことで、
表面的な破綻は回避できます。

しかしその場合、複数ControlNetを使っている意味自体が薄れる
ことに注意が必要です。

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複数ControlNetで最初に決めるべきなのは設定ではありません。
考えるべきは、何を一番崩したくないかです。
すべてを同じ強さで使うと、情報は衝突します。
ControlNetは同列ではなく、役割に序列をつけます。

優先順位の考え方:崩れたら致命的なものを上に

例:人物イラストの場合

  • 最優先:Pose
    • 骨格・関節 → ここが崩れたら全てが破綻する
  • 中優先:Depth
    • 構図・奥行き → 世界観や安定感に影響
  • 低優先:Canny / Lineart
    • 形の目安 → 補助的なガイド

重要度が高いものほど、上位に置きます。

優先順位=解析画像の「意味の重さ」

優先順位は、ControlNetの種類そのものではありません。
同じCannyでも、
主役か補助かで立ち位置は変わります。

ControlNetのcannyによる解析画像(主:threshold低)
ControlNetのcannyによる解析画像(補助:threshold高)
  • 左:主役Canny(輪郭が明確・情報量多め)
  • 右:補助Canny(少しラフ・ガイド的)

解析画像を「答え」にするか「ヒント」にするかが設計です。

strengthは設計の結果として決まる

優先度が高いControlNetほど、
「そのPreprocessorに適した強さ」で効かせます。
補助的なControlNetは、主役を邪魔しない範囲に留めます。

・strength配分イメージ

 [ Pose ]
 ███████████████ 強

 [ Depth ]
 █████████ 中

 [ Canny / Lineart ]
 █████ 弱

これはテクニックではなく、設計の反映です。
「全部同じ数値」ではなく、「この役割だからこの強さ」
という理由がある状態が理想です。

まとめ

ControlNetは、数で強くなるのではありません。
役割と優先順位で強さが決まります。

複数ControlNetは同列ではない

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ポーズも構図も画風も、すべてControlNetで決めようとすると破綻します。
役割を背負わせすぎると、効きすぎ・不自然さの原因になります。

ControlNetは「表現」を作る道具ではない

ControlNetとLoRAは得意分野が違う

  • ControlNet骨格・構図・位置関係
  • LoRA画風・可愛さ・雰囲気・質感

ControlNetは構造担当、LoRAは見た目担当です。
この境界を混ぜると、壊れやすくなります。

LoRAを入れ込んだフロー

複数ControlNet使用時の役割分担を示したイメージ図

役割分担したときの安定構成

  • ControlNet:Pose/Depth
  • LoRA:キャラクター/画風

一つ、シンプルな構成例を見てみます。

・元画像

ControlNet解析に使用した元画像
  • ControlNet
    • Pose:ポーズ固定
    • Depth:構図と奥行き安定
  • LoRA
    • キャラクターLoRA(目を綺麗に強調するLoRAを使用)
    • 画風LoRA(水彩画風にするLoRAを使用

・解析画像

ControlNetのopenposeによる解析画像
ControlNetのzoedepthによる解析画像

OpenPose

Depth

・生成結果

ControlNetを適用して生成した画像(lora-controlnet組み合わせ)

ControlNetが「崩れない土台」を作り、LoRAが「見た目の方向性」を決めます。
競合せず、自然に噛み合う構成です。

ControlNetは骨組み、LoRAは味付け

ControlNetは構造、LoRAは表現

上下関係ではなく、役割の違いです。
骨格はControlNetに、可愛さはLoRAに任せましょう。

5章まとめ

  • 複数ControlNetは足し算ではない
  • 成功の鍵は情報の種類優先順位
  • 固定したい部分を競合させずに分担させる

ControlNetは、設定ではなく設計の道具です。

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理解して設計しても、生成が崩れることはあります。
この章は、詰まったときに戻るためのチェックリストです。
上から読む必要はなく、症状から原因を引きます。
設定の正解は示しません。

トラブル全体マップ

  • 形が崩れる
    • 姿勢・構造情報は渡しているか
      • NO情報不足の可能性 → 6-1へ
      • YES他の情報と競合 → 6-4へ
  • 別人になる
    • プロンプト/LoRAが強すぎないか
      • YES情報過多 → 6-2へ
  • 背景が変わる
    • 奥行き or 輪郭で背景を固定しているか
      • NO情報不足 → 6-3へ
  • 精度を上げると壊れる
    • ControlNetを重ねすぎていないか
      • YES情報衝突 → 6-4へ

ControlNetのトラブルは、ほとんどが

情報が足りない/強すぎる/競合している

のどれかです。

症状

まずは、「形が崩れる」とはどういう状態かをはっきりさせます。

  • 同じ設定でもポーズが毎回変わる
  • 手足の位置が安定しない
  • 体は合うのに顔の向きだけズレる

一見「ControlNetが効いていない」と感じやすい状態です。

よくある誤解

「strengthを上げれば固定される」と考えがちですが、多くの場合は解決しません。
原因は制御の強さではなく、渡している情報の種類にあります。

原因の切り分け

  • 姿勢(構造)情報を渡していない
  • 情報が弱い/曖昧
  • 背景など余計な要素を解析している

たとえば、

  • Canny・Lineartのみ → 外形は取れるが骨格は指定されない
  • 被写体が小さく背景が広い → 何を守るべきか判断できない

この状態では、
ポーズや手足の位置が毎回ブレるのは自然な結果です。

対処の方向性

「強くする」ではなく「足す・整理する」 方向で考えます。

  • 姿勢系Preprocessorを追加
    • OpenPose / DWPose
      → ポーズ・関節・向きを明示的に渡す
  • トリミングで解析対象を明確化
    • 被写体を大きく切り出し、背景解析を減らす

重要なのは数値ではなく、モデルに“形の答え”を渡せているか という視点です。

まとめ

  • 原因はControlNetの弱さではない
  • 多くは姿勢・構造情報の不足
  • 見直すべきはstrengthではなく解析画像の中身
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症状

まず、このトラブルの典型例を整理します。

  • 同じ元画像でも毎回キャラが変わる
  • 顔つき・体型・年齢感がズレる

この状態になると、

ControlNet、全然効いてないのでは?

原因候補の整理

多くの場合、原因はControlNetではなく他の情報が強すぎること。

  • LoRAが強すぎて形を上書き
  • プロンプトの固定ワードが顔立ちを再設計
  • LoRAが画風だけでなく顔・体型傾向まで影響

重要なのは「情報量」ではなく どの情報が最も強いか です。

ControlNet側の問題ではない例

同一ControlNet・Seedで「LoRAあり/なし」だけを切り替えると、

  • ポーズや構図は同じ
  • 顔立ち・雰囲気だけが変わる

つまり、 ControlNetは効いているが、後から上書きされている 状態です。

対処の方向性

やるべきは「強化」ではなく 役割の整理

  • LoRAの影響を弱める(キャラを決めすぎない)
  • Style LoRAは画風寄りに使う
  • ControlNetを「形担当」に戻す(骨格・向き・比率)

目的は「誰かっぽくする」ではなく この形を保ったまま描かせる こと。

まとめ

  • 原因はControlNetの弱さではない
  • 多くはLoRA/プロンプトが勝っている
  • 対処は強化ではなく 役割の整理
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症状

このトラブルは、かなり頻出です。

  • キャラは安定しているのに背景だけ毎回変わる
  • 構図の印象が崩れ「同じシーン」に見えない

特に、「キャラは良いのに背景が落ち着かない」ケースで頻発します。

原因の構造

背景は、何も指定しなければ自由に描かれる

Poseや形だけ固定しても背景には制約がなく、モデルが毎回「それっぽい背景」を補完するため、
キャラは同じでも背景だけが暴れます。

対応する情報の提示:Depth/Canny

背景を安定させるには 背景の情報を明示的に渡す

  • Depth:奥行き・配置・距離感を固定
    • 手前/奥、壁や建物の位置など

「どこに何があるか」を構造として固定 したいときに有効です。

  • Canny:背景の輪郭・シルエットを固定
    • 建物の形、窓や柱、地形の境界など

「背景の形だけは守りたい」という場合に向いています。

注意点:固定しすぎの副作用

Depth/Cannyは背景を安定させる一方で、

  • 背景の自由度が下がる
  • 情報量が増える
  • 他のControlNetと衝突しやすくなる

結果として「全部固定したのに破綻する」状況を招くことがあります。

まとめ

  • 背景は放置すると自由に描かれる
  • 安定させたいなら Depth/Canny を使う
  • ただし 固定=万能ではない
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症状

これは、多くの人がハマるトラブルです。

  • 精度を上げ、ControlNetも増やし、解析も選んだのに絵が壊れる
  • 以前より不安定になる

多くの人が「設定値が悪い?」と考えますが、原因は別にあります。

典型パターン

破綻しやすい組み合わせの例:

  • Canny × Lineart輪郭が二重
  • Depth × Depth(精度違い)奥行きが二重

共通点は 同じ種類の情報を別ルートから重複して渡している こと。

解析画像の重なり

並べて見ると、

  • 似た線
  • 似た奥行き
  • 似た構造

が複数存在し、モデルは「どちらを守るべきか」判断できません。
結果として線が歪み、面が破綻し、形がねじれます。

まとめ

  • 問題は精度ではない
  • 問題はControlNetの数でもない
  • 情報の重複と衝突が原因

ControlNetは「多いほど強い」「精密ほど正しい」仕組みではありません。
壊れたのは努力不足ではなく、同じ情報を渡しすぎたためです。
『減らす/役割を分ける』を意識するとよいです。

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ControlNet調整で一番やってはいけないのは、

  • なんとなくstrengthをいじる
  • とりあえず精度を上げる

ことです。

迷ったときは、必ずこの順番で切り分けます。

判断フローチャート

1️⃣ 形は崩れているか?

  • ポーズが安定しない
  • 手足や向きが毎回変わる
    • Yes:姿勢情報・解析不足を疑う
      • 解決方法:Pose / トリミング
    • No:次へ

2️⃣ 別人になっているか?

  • 顔つきが変わる
  • キャラ性が上書きされる
    • Yes:LoRA・プロンプトの影響過多
      • ControlNetの問題ではない
    • No:次へ

3️⃣ 背景が変わるか?

  • 構図が安定しない
  • 被写体は合っている
    • Yes:Depth / Canny を検討
      • 背景情報を渡す
    • No:次へ

4️⃣ 精度を上げたら破綻するか?

  • ControlNetを増やした
  • 解析を細かくした
    • Yes:情報過多・衝突を疑う
      • 重複していないか確認

このフローで大事なのは、

  • 数値を触る前に
  • ControlNetを足す前に

まず、

「どの種類の問題か」を決めること

です。

6章まとめ

  • 思い通りにならない理由はパターン化できる
  • ControlNet調整は勘ではなく「切り分け」
  • 直すべきは設定値より構造
  • ControlNetは魔法ではないが、理解すれば再現できる道具

うまくいかないときは「センスがない」と思う前に、この章へ戻ってください。

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視点を「生成」から「編集」へ

これまでは「思い通りに生成する」ためのControlNetを扱ってきました。
ここからは 既存の画像をどう変えるか に焦点を移します。
ControlNetは安定生成の道具であり、同時に 画像を編集・発展させるためのツール でもあります。

この章は設定調整ではなく、制作フェーズへの入口 です。

ControlNetとの向き合い方は、ここまでで大きく変わったはずです。

・Before

  • 「とりあえず使う」
  • 効かなければ数値を上げる

・After

  • 目的に応じて選ぶ
  • 情報量と役割を見て調整する

ControlNet理解のステップ

  1. 使ってみる
  2. 効き方を観察する
  3. 調整する
  4. 組み合わせる
  5. 選んで設計する(👈今ここ)

ControlNetは「強くする技術」ではなく、「使い分ける技術」

ここまで来たあなたは、
もう設定に振り回される側ではなく、ControlNetを“選ぶ側”に立っています。

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完成画像はゴールではなく、次の制作のスタートです。

Inpaint × ControlNet の考え方

InpaintとControlNetを組み合わせたときのステップアップイメージ図
  • 元画像を用意
  • 修正したい部分だけマスク
  • ControlNetで「崩したくない構造」を渡す
  • 差分だけ生成する
  • 進化!

発想は「全部描き直す」ではなく、必要部分だけ進化させること。

ワークフロー例

InpaintとControlNetを組み合わせたときのワークフローイメージ図

実例イメージ

ControlNet解析に使用した元画像
ControlNet解析に使用した元画像
ControlNetを適用して生成した画像(inpaint-controlnet組み合わせ)

元画像

マスク処理済み画像

生成画像

  • ポーズは維持
  • 服装及び背景を変更
    • プロンプト:high quality illustration, 1girl, white long skirt, Building in the background

ControlNetは、生成にも編集にも使える道具です。

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ここから先は、プロンプト調整ではなくどこを変え、どこを残すかという編集判断のフェーズです。

差分生成という考え方

  • 固定するもの
     Pose / 構図 / 奥行き
  • 変えていくもの
     表情 / 衣装 / 背景 / 雰囲気

すべて動かさず、すべて固定せず、差分だけ設計する —— これが次のフェーズです。

次に学ぶとよいテーマ

  • Inpaint前提の設計思考
  • Maskの切り方・分け方
  • ControlNet × Inpaint の組み合わせ
  • 編集を前提にした制作フロー

あなたはもう「当たるまで回す」段階ではなく、意図して画像を育てる段階にいます。

このページのまとめ

ControlNetは、

  • 生成を安定させる道具
  • 画像を進化させる道具

重要なのは、変えたい部分だけ選ぶこと
構造を理解し、情報を選び、必要な差分だけ与える。
今は、設計して画像を作るフェーズに突入しています!

 

—— ControlNetは、
テクニックではなく、制作思考のための道具なのです。

 

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